はやぶさ2 模型組み立てマニュアル 後編

このマニュアルは、はやぶさ2実物大模型たけとよモデルを、梱包状態から展示状態へ組み立てる手順を示しています。
後編では、最終的な展示状態にするまでを説明します。

1.本体を傾斜状態に傾けます。

はやぶさ2実物大模型たけとよモデル35度傾斜姿勢への移行は、こんなに軽々!バランスと三角形構造のなせる技!

間瀬 康文さんの投稿 2019年8月2日金曜日

①「パドル支持柱」と「左側パドル」の連結部を手で持って下げ、本体全体を傾斜させます。バランスが取れているので一人で作業可能です。
注意
傾斜展示状態の本体の重心はバランス的に倒れない位置にあるため、手を放しても倒れることはありませんが、念のため「ロックワイヤー」を取りつけるまでは本体が倒れることがないように注意してください。

②はやぶさ2の本体が、地震の際に倒れないように、パドルを支える40ミリ角の「パドル支持柱」と、免振台座のフレームとの間を、折りたたみ椅子を吊り下げていた「ロックワイヤー」を斜めに掛けて止めます。2本の「パドル支持柱」にそれぞれロックワイヤーを掛けます。なおロックワイヤーはゆるく固定されているので、地震の際にはパドル支持柱は免振台座のフレーム上をスライドします。
ロックワイヤーはカルビナで固定します。
③2つのコロがついた「本体台座」を取り外します。
④「テーブル」を取り除きます。

2.底面パネルを取り付けます。

①【作業前情報】「底面パネル」は、本体底部の枠の4か所で「M5つまみナット」で固定されます。また、サンプラーホーンがついている前方向の枠の溝には、本体から出ている2本の「突起」が「はまる」ようになっています。
②作業を行います。まず、底面パネル二人で持ち、写真の位置に保持します。
③写真のように、底面パネルのサンプラーホーン側のフレームを本体のフレームに接近させ、 サンプラホーン側の本体枠から出ている「突起」を底面パネルの枠の溝にはめます。この時、底面パネルの後ろ側を少し下げて、底面パネルの4か所の固定ねじが本体フレームの金具の穴に入らない状態で作業し、「突起」が溝にはまるように底面パネルを平行にずらします。溝にはめるのにはやや力が必要です。
④次に、底面パネルの4か所の固定ねじを、本体フレームの金具の穴にはめて、「M5つまみナット」で固定します。
⑤次に、本体の内側の収納用アルミレールと側面との隙間に差し込まれた「延長パイプ」を取り外します。
⑥サンプラーホーンの支持パイプを上に引っ張り上げて、先端のねじを外します。パイプは落とさないように手で持っておきます。
⑦「延長パイプ」を、サンプラーホーンのパイプの先端にねじ込みます。その後、サンプラーホーンをいっぱいまで伸長させます。延長パイプの木製のブロックは使用しないので邪魔にならない位置で固定しておいてください。サンプラーホーンが何かにあたって伸び切らない場合は、引っかかりが外れるように上下左右にわずかに揺らしてみてください。
 ⑧サンプラーホーンが伸長した状態です。
⑨底面パネルから出ている金色フィルムを、本体側面に降り返して磁石で吸着して止めます。

3.前面パネルと、背面パネルを取り付けます。

「前面パネル」と「背面パネル」の固定は、
■各パネルの枠の下の部分にある2本の「突起A」が本体のフレームの溝にはまっている。
■本体の上部の左右にある「ボルトB」の先端がパネルの枠の上部の左右の穴に差し込まれてパネルが外れないように固定されている。
という構造になっていますので、組み立て方に若干の注意が必要です。

①まず最初に、前面パネルに付く「赤外線カメラ」を「前面パネル」の左下の部分に取り付けます。
赤外線カメラは、パネルの裏で2つのM5つまみナットで固定します。
②次に「前面パネル」を両手で持ち、写真のように本体前面にほぼ沿った位置で支持します。次に、「前面パネル下部の枠」が「本体フレームのアルミ枠」の上に乗るように前面パネルをはめ込みます。すると前面パネルの枠にある「突起A」が本体フレームの溝にはまった状態になります。その後、前面パネルの上部を、本体枠にはめこみます。この時「すっ」とはまらないので、やや押し気味にしてはめてください。また、本体両側から出ている金色フォルムを挟み込まないように注意してください。
③「ボルトB」の位置を確認します。両側にあります。
④「ボルトB」指でつまみ、全面パネルが手前に倒れてこないところまで十分にねじ込みます。前面パネルの穴にボルトBの先端が入らないと正しくロックされないので、前面パネルはしっかりと本体にはまっている状態で作業をしてください。
⑤背面パネルも同様な手順で取り付けます。こちらも「すっ」とはまらないので、少し力をかけて入れ込むようにしてください。
⑥前面パネル、背面パネルとも、本体側面から出ている金色フィルムを折り返して固定します。磁石の力で吸着します。

⑦最後に、前面パネル、背面パネルに、それぞれスラスターノズルを2個づつ取り付けます。

4.スラスターを8個取り付け、黒い布を敷いて完成です。

①【作業前情報】「スラスター」は、本体の8つのコーナーに固定されたM5ボルトを使って写真のように固定されます。スラスターの回転方向の取り付け向きは、スラスターのボディが天井の中心方向に向くように斜めに付きます。
②【作業】「スラスター」と本体の「コーナー」には、写真のように「目印シール」は貼ってあります。それぞれ「色と個数」が合致するように取り付けてください。「スラスター」の固定は、スラスターの上部の背中の蓋ないしは切れ込みから指を入れて「M5つまみナット」で固定します。
③本体が乗っかる免振台座の「スライドユニット」が、前後・左右の支持棒の「中央の位置」になるようにします。その後、最終的な展示位置になるように免振台座ごと位置を修正します。位置が確定したら、免振台座のコロのロックを「ON」にして固定します。
③免振台座を覆うように、「黒い布」を4枚敷きます。柱の部分を逃がす切り欠きがある布は、柱の位置に使用してください。黒い布の下に、使用しない部材を隠すことで、小惑星の表面の風合いを醸し出せます。その場合、免振台座の中には部材を置かないでください。
④これで完成です。この写真は能代文化会館での展示の様子です。

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